桐野夏生第2弾 柔らかな頬
あの「魂萌え」の作者の代表作であり、
直木賞受賞作ということから、期待して
いましたが・・・・
主人公は罪悪感なく人を欺き、平気で人
を踏みにじるとても非常識な女性です。
相手の男も然りですが、自分の気持ちに
正直に生きているだけと言えなくもない。
彼女の行動には呆れるばかりでしたが、罰が当たるとか
天罰が下るなんて言葉を遥かに超えた苦しみが彼女を襲います。
ひたすら謎が解き明かされる事を願って読み進めるも、
そうだったのか・・・と思えば違い、性懲りもなく、そうか、
そういうことだったのか・・・と思えば、また違うという風に、
読者は何度も騙され振り回されます。
ストーリーに整合性を求める人には釈然としない思いの残る
特異で不可解な作品でした。
もうちょっと深みのある感想が言えたら、良いのですが・・・