長編と間違えて、また短編集を買って
しまった。
先日電車で隣に座った人も、これを読んで
いました。
ちょっと話しかけたい気分になるね。
全てが、瀬戸内海に浮かぶ白綱島を舞台
にしたお話ですが、各々に繋がりはなく
6編6様です。
「海の星」と呼ばれるもので、このインパクトのある色彩を帯びた
幻想的なシーンが、ストーリーの物悲しさを引き立てます。
これも、ちょっとしたミステリーでした。
美しい風景とは対照に、主人公それぞれが辛い思いを抱えながら、
島の閉鎖的な社会で暮らす息苦しさが、ひしひしと伝わってきました。
特に良かったのが、「光の航路」と「雲の糸」で、どちらも壮絶な
いじめが描かれた重いお話ですが、胸にジーンと滲み渡るような
感慨があり、余韻が残ります。
短編も、案外いいものですね。