2017年12月21日木曜日

本のお話270 神去なあなあ日常&夜話

三浦しをん第3弾・4弾 「神去なあなあ日常」&「神去なあなあ夜話」


この作品は、軽いタッチでさくさく読み易い
中にも、奥深い面白さと感動があります。
少女漫画的なノリという点で、村山由佳さん
の「おいコー」を思い出させますが、この
物語は林業を中心に回っているのが特徴です。

都会のフリーター少年が、教師と母親の策略
により、三重の山奥の村に放り込まれて、
慣れない林業に奮闘する中で、次第にその
魅力にとり付かれ、仲間達との関わりの中で、
心身共に逞しく成長していく姿がコミカルに
描かれています。

山に代々伝わる神話や祭り等の行事や風習が
重要なモチーフとなっていますが、それらは
ひとえに、林業に支えられた山村に住む村人
達の自然への畏怖と信心に由来するところと
言えそう・・・

更に・・・都会での淡白なご近所付き合い
からは考えられない住人同志の濃ゆ~い関係!

同じ閉鎖社会を描いても、因島を舞台にした湊かなえさんのドロドロ
した世界とこうも違うものかと思う程に、人情味溢れる暖かな世界が
広がっていました。

これはお勧め星5つ!!★★★★★