宮本輝第16弾 約束の冬
タイトル通り、10年前のミステリアスな
約束が物語の中心にあります。
そして、主人公が32歳の女性から、彼女
の運命の人の父親である経営者男性へと
いつのまにか移っていました。
これも、作者の好きな物や好きな事が伺い
知れる作品です。
きっと作者も、登場人物同様、ゴルフをやり、葉巻を嗜み、
陶芸や骨董品に造詣が深かったりするんだろうなあ、とか、
「雪迎え」と呼ばれる神秘的な現象に、強く惹きつけられた
ことがあるに違いないなど。
作者作品の多くは、まだまだお話が続いて行くような雰囲気の
中で突然、ぷっつり、ばっさり終わってしまうのですが、これも、
まさしくそんな感じでした。
一瞬あっけにとられましたが、感慨深いお話です。
もしかして、そういった幕の引き方も、作者作品の良さかも
しれない・・・とも思ったりして。