2019年6月22日土曜日

本のお話299 I’m sorry, mama

桐野夏生第5弾 I’m sorry, mama.

「おかあさん、ごめんなさい」なんて、
何だか興味を引くタイトルです。

主人公はと言うと・・・
腹が立つから、気に食わないから、邪魔
だから、お金を奪いたいから等自己中な
理由から躊躇なく人を殺す殺人鬼で、犯行
はいつも稚拙で考えなしの行き当たりばったり。
外見はと言うと、厚化粧の太った醜いおばさん
という珍しい設定です。

その極端な悪人ぶりに驚愕しますが、あっと驚く
結末の後には、虚しさと悲しみがこみ上げてきました。

読み進めるに従ってドロドロさが増し、どんどん奇怪に
なって行く展開に唖然としながらも引き付けられて
引き込まれ、また次の作品に手を伸ばしてしまうのは、
桐野ワールドの成せる技でしょうか。

ストックもなくなった事だし、作者作品は、ここらで
一旦終わりにしよう。