数ある素晴らしい作者作品の中でも、これ
こそが最高傑作だ~!と読み終えた瞬間、
心が叫びました。
寛政大学駅伝チーム10人のランナーと作者
に、心からの喝采を送りたい。
実話かどうか分かりませんが、緻密な取材
を重ねて書かれた事は間違いなく、これを
読むと、今まで駅伝に関心がなかったこと
が恥ずかしく思われます。
今にも崩れ落ちそうなおんぼろ寮、竹青荘の住人
全員の寄せ集めから成る寛政大学にわか駅伝チーム
の無謀な挑戦と奮闘の1年間の物語です。
山あり谷ありの全長216.4Kmのコースを10人の
走者で襷を繋ぐレース本番がクライマックスで、
そこを描いたラスト2章は、群像劇となっています。
生まれ持った才能が違えば、積んできた経験も違い、
コースを走りながら各々の胸に去来するものも10人10様。
それでも、メンバー全員が生い立ちや家族のこと、陸上に
かける思いや自身の限界について考え、仲間との絆を再確認
する中で、ずっと自問し続けて来た「走る意味」に答えを
出すのです。
同じ脳内麻薬の成せる業でも、ランナーズハイとは別の
メカニズムを持つ、ごく限られた天才だけが体験する
「ゾーン」と呼ばれる境地を初めて知りました。
興味深く、枚挙に暇がないくらいテーマが盛り沢山。
面白かった~!良かった~!感動した~!
久々に出たお勧め星5つ!★★★★★