最近読む本は、湊かなえ、三浦しをん、
宮部みゆきの3者作で占められている
気がする。
どうしてそうなるのか分からないけど、
きっとお買い得コーナーで見つけたら
即買ってしまうのが、このお三方なん
だろうなあ。
これもミステリーで、最後の最後に
あっと驚くどんでん返しが待っていました。
この物語にも、随所に作者の出身地である瀬戸内海の
とある島への思いが投影されていて、作者作品の
「望郷」を彷彿とさせます。
真っ青な海と美しい夕日、都会では感じられない季節の
移り変わりを全身で感じられる豊かな自然と共にある暮らし。
それと相反して、狭い世界で暮らす噂好きな島民の閉鎖的で
陰湿な島社会への嫌悪がこの物語にもよく表れていました。
島から飛び出したくてしょうがなかった作者の思いが、
主人公の1人である菜々子に込められている気がします。
毎度作者に感心させられるのは、人の気持ちの微細な表現と、
一つの事象を複数目線、別角度で語れるところです。
読者を人間不信に陥らせるまでに人の心の裏を読み、
ドロドロ心理を炙り出せるのは、作者が極めてセンシティブ
な人だからに違いなく、それでは、辛かったりしませんか?
と、思わず問いたくなったりもして。
そんな才能を持ちつつも、もし彼女が案外図太くて、
鈍感力をも兼ね備えた人だったら、それこそ超人。
益々尊敬致します。そうであって欲しい。