梁石日第9弾 夜を賭けて
これはネットから取った画像です。
しおり代わりにしていた表紙の折返し
部分が切れてしまい、表紙を捨てた後に
写真を撮り忘れたことに気付きました。
更にそのカバー無しの本を、帰省した娘に
勧めたら、持ち帰ったので、この本は今、
手元にないのです。
ずっと残しておきたい位の大傑作でした。
面白かった~~
作者作品のmyランキング、断トツの一位です。
今の時代では到底考えられないような、彼らを取り巻く
当時のあまりにも理不尽な社会に、愕然とします。
人権蹂躙も甚だしい。
その過酷な状況の中、家族共々生き延びるために戦い続けた
在日コリアンの逞しさに、感服させられます。
日本のアウシュビッツと呼ばれた大村収容所の存在と、
収容者を解放させるに至った同胞や家族と支援者らの力が
集結した運動も、この物語の柱の一つとなっています。
個々の力では、微動だにしなかった政治や法律や警察が、
こうした活動の積み重ねで、徐々に変わっていきます。
終戦から10年。B29の爆撃で壊滅した日本最大の兵器工場(大阪造兵廠)
の跡地に眠る膨大な鉄屑を巡って繰り広げられたアパッチ族と警察の
攻防戦の凄まじさ。
その舞台が、あの馴染み深い天守閣を臨む緑いっぱいの広大な大阪城公園
と、誰が想像できるでしょう。
また、ラストシーンが圧巻でした。
これも作者の少年時代の経験が、色濃く反映されています。
史実を元にしたお話だけに凄まじく、辛く、悲しく、切なくて、
それでいて、何だか元気がもらえて、心が揺さぶられる、そんなお話でした。
とにかく、深~~い!