池井戸潤第10弾 銀行狐
表紙が無くて、すみませんm(__)m
いつも長編と思って買い、2章目で短編と
気付いて、がっかりする私。
それでも読み進めていくうちに、短編連作と
分かった時は、得した気分になるものですが、
これは、正真正銘の短編集でした。
いや、でも!どれも面白かった。
中でも一番夢中になって読んだのは、「銀行狐」。
やっぱり、表題に選ばれるだけあるね。
銀行を舞台にした作者作品には、出世欲にまみれた男の
汚さが必ず描かれていて、保身のための責任転嫁や陥れ、
足の引っ張り合い等、男社会のおぞましさを教わった気分
です。あ~女で良かった💦なんてね。
それからバブル崩壊に絡む銀行の罪や顧客の恨みにも、
しばしば触れられています。
犯人はこの人だったのか!と意表をつく狙いのお話が殆どですが、
それまで登場してこなかった見ず知らずの者が犯人だったという
パターンもありました。
それは、全く接点の無い被害者たちの共通点を探ることから
犯人を見つけ出すミステリーです。
犯人はどうやってターゲットを絞ったのかの謎に迫る部分で、
宮部みゆきの「火車」に通じるものを感じます。
さて、謎を解明した刑事がヒントを得たその場所とは、
一体どこだったでしょうか?
これも、引き込まれたお話でした。