2019年2月26日火曜日

本のお話293 木暮荘物語

三浦しをん第8弾 木暮荘物語

これは、面白かった!
それでこそ、三浦しをん!と勝手に言う
のも何ですが、作者の特徴がよく現れた
作品でした。

タイトル通り、木暮荘とその周辺で繰り
広げられる様々な人間模様を描いた短編
連作集となっています。

築年数不明のレトロなアパートは、木製の玄関ドアが
簡単に蹴破られてしまう程おんぼろで、セキュリティーも
何もあったものじゃないけれど、一階の一室には大家の
おじいさんが住んでいるから安心なのだとか。

庭には大家さんの飼っている穴掘り犬が居て、そこそこ広い
庭の(囲いの無い)花壇には、四季折々の花が咲きます。
おんぼろだけど、住んでみたくなる様なほのぼのとした
ぬくもりの感じられるアパートです。

笑い転げる位面白いけど、時に考えさせられたり、しんみり
したり、妙に哀しくなったりもする味わい深い作品でした。
これは、お薦めです。
もしかして、「神去なあなあ」に匹敵するくらい良かったかも。