心に残る名作です。
特に作品の構成が素晴らしく、女性2人
の視点で語られることで明かされていく
それぞれの過去から目が離せず、思いも
寄らぬ展開に揺さ振られ通しでした。
大きな選択を迫られる幾つかの局面で、
主人公はもとより親がこうすべきだった
のではないかとか、こんな方法もあった
のに、などと思いつつも、当事者だからこそ、
冷静な判断ができないのも分かる気がします。
物事の本質を見抜く、斜に構える、どちらの意味においても、
主人公の穿った見方が要所要所に表れています。
大人びてはいても、所詮は中学生、世間知らずの少女に
変わりなく、全てはそこに起因すると言えるかも。
しかし!
不幸や不運が連れてくる幸せも、その失敗や試練が有ってこその
幸せもあるんだなあ・・・としみじみ。
更に、幸せと不幸があっという間に入れ替わることも大アリで、
人生はまさに、人間万事塞翁が馬。
そしてそれは、出会う人によるところが大きいと気付かされます。