2026年8月8日土曜日

本のお話401 パレートの誤算

柚月裕子第8弾 パレートの誤算。

タイトルはパレードでは無く、
「パレーの誤算」だったとラストで
初めて気付きました。

経済用語である「パレート」と、
生活保護世帯で育った1人の生徒の
寄稿文に由来するこのタイトルの
関係は重要ながら、長くなるので
省くとして・・・

その生徒の家庭の様に、現状に甘んじている訳では無く、
どうしようもない事情を抱え、社会の助けを借りながらも
自立に向けた努力を続ける受給者と、楽をしようと、
あの手この手で保護費を貪る一部の受給者。

更には、貧困ビジネスに手を染める輩と、その悪巧みに
引っかかり、巻き込まれて抜け出せなくなった社会的弱者達。

突然ケースワーカーの仕事を押し付けられた市役所福祉科の
若手職員の男女がタッグを組み、殺された上司の死の真相を
突き止めるべく奔走する社会派ミステリーでした。

否応なしにケースワーカーの仕事を負わされた2人が、
真剣に仕事に向き合う様になっていく過程も興味深く
描かれています。

正義感と使命感に燃えるこの物語の主人公は、月下の桜の
主人公を思わせます。

生活保護の実態を描いた物語だけにリアリティがあり、
問題提起の役割をも担った作品と言えそう。

これもまた、どんでん返しに次ぐどんでん返し・・・
どうして私はいつも騙される?? 
物語の締めくくり方も、ピカイチでした。