2016年3月8日火曜日

本のお話239 贖罪

湊かなえ 贖罪

感想を一言で表すなら、「驚愕」という
言葉

ピッタリの、「告白」とよく似た雰囲気の
作品でした。

エミリちゃんが殺される直前まで一緒に遊ん

でいたクラスメイト4人と、エミリちゃんの
お母さんが、事件当日を中心に、各々の過去
から現在に至るまでを語ります

事件のショックもさることながら、エミリ

ちゃんの母親が4人にぶつけた衝撃の言葉が、
彼女たちの人生大きく狂わせていきます。

5人の視点から語られることで、それまで見えなかった

個々の事情や心情が見えてくるすごい作品でした。

それにしても違和感を覚えるが、犯人の心境です。

少ないながらも、それまでの記述から浮かび上がる人物像と、
卑劣極まりない犯行が、どうしても結び付かず・・・

「告白」と同様、一つの事件を巡る複数の視点からの巧みな描写

驚嘆する一方で、どこかしっくりこない感が残ります。