2018年4月16日月曜日

本のお話274 君はポラリス

三浦しをん第5弾 君はポラリス

「しまった!また間違えて短編を買って
しまった~」と悔やむほど長編志向の私
ですが、この短編集は、なかなか良かった。

11編から成り立っていますが、最初と最後
のお話が繋がっていたのは、衝撃的でした。

それぞれの主人公と、その人生において
大きな位置を占める人物との、多様な関係
が描き出されています。

それは主人公にとって、純粋に大切な人だったり、
諦めの境地ながら、今の生活を維持するために必要な人で
あったり、秘めた胸の内を決して打ち明けることのできない
片思いの相手だったり。
ほんのひと時、関わっただけなのに、その後の人生にずっと
影響を及ぼし続ける人であることも。
はたまた、相手は人間とばかり思っていたら、そうではなかった!
なんて、ユニークなパターンも。

誰もが、人との繋がりの中で色んな思いを抱えながら生きていることに
今更ながら気付かされ、そして、しみじみと考えさせられる作品でした。

ほとんどが陰のあるお話ですが、ほのぼのものも2、3あります。
特に印象に残ったのは、「冬の一等星」と最初と最後のお話~
「永遠に完成しない2通の手紙」と「永遠に続く手紙の最初の一文」でした。

やっぱり三浦しをんさんは好きだなあ・・・