2018年4月25日水曜日

本のお話275 エンジェルエンジェルエンジェル

梨木香歩第3弾
「エンジェルエンジェルエンジェル」

これを含めて、今までに載せた梨木作品は、
全て娘のもので、前回のからくりからくさ
以来4年振りです。

一番好きな「西の魔女が死んだ」が、なぜか
残っておらずアップできなかったので、
厳密には、梨木香歩さん第4弾となります。

西の魔女が死んだと、この作品は、ストーリーが全く違う
けれど、両作共通して、悩みを抱えた思春期の少女が、
不思議なパワーを持つおばあちゃんと過ごした短くも貴重な
時間が描かれていることに、たった今、気付きました。
どおりで、似た空気を感じるはずだ。

ファンタジーとは呼べなくても、充分ファンタジックで、
魔法じゃないけど、魔法みたいで、現実だけど、夢の様・・・
そんな不思議なお話です。それこそが梨木ワールドだね。

介護が必要なおばあちゃんが、ある日を境に少女の心に戻って、
孫娘と対等な友達の立場で会話する様になるのですが、
それには、飼い始めた熱帯魚たちが関わっているのです。
そして最後は・・・

おばあちゃんの娘時代の目線で当時の生活や心境を綴った
文章が妙に懐かしく思われたのは、その昔、祖母が私に送って
くれた手紙の仮名遣いと同じだったからでした。
なかなか趣向を凝らした作品です。