2019年9月28日土曜日

本のお話307 美貌と処世

林真理子第3弾 美貌と処世

作者作品は結構読んだはずなのに、過去の
投稿を見ると、「RURIKO」と「葡萄が
目に染みる」しか無い。
blogを始める遥か前に読んだんだ。

これは、週刊文春に掲載されたエッセイ集
です。
かつて「ananを後ろから開かせる女」と
呼ばれただけあって、彼女のエッセイは、
軽いタッチで読みやすく、そしてどれも面白い。

これだけ頭の回転が早く文才があり、小説だって何だって
お手のもので、ネタには事欠かないだろうに、わざわざ
人の悪口を書かなくてもなあ・・・と、思ったこともありました。

けれども、これを読むと・・・
悪口を書いた本人と接する機会があると、ただただ萎縮
するしかなく、それでも相手の器が大きくて、愛想良く
されたり、丁寧に挨拶でもされようものなら、途端に
その人を見直して、今度は褒めちぎるなど、彼女の単純さ
が面白くもあり、滑稽でもあり、その人間臭さが何だか
憎めない感じです。
以前のエッセイに見られた毒気が薄れたも、好感が持てた
理由かも。
頼られると、殺人的なスケジュールの合間を縫って、
ボランティアにも遠方の行事にも喜び勇んで参加する
など、そのバイタリティは羨ましい限りです。

多趣味多才で、昔と変わらず(13年前のエッセイだけど)
精力的に仕事に打ち込み、多忙を極めながらも、男女問わず
様々なジャンルの人たちとの付き合いを大切にして、
日々の生活を思い切り楽しんでいる様子が伝わってきます。

私の倍、いや3倍濃ゆい人生を生きてる人だなあ。