2020年2月19日水曜日

本のお話318 5年3組リョウタ組

石田衣良 5年3組リョウタ組

これは、結構私好みの作品でした。
何と言っても、爽やかさがいい!

学校では、予想もつかないトラブルが絶え間なく
起こるけれど、それらを乗り越える度に逞しく
成長する子供達の姿に喜びを感じつつ、自身も
学び、共に成長していける教師という職業は
なんと素晴らしく、やりがいがあるのだろうと、
25歳のリョウタ先生は、思うのです。

教師がみんな、リョウタ先生の様な人ならなあ・・・

4章中1章は、ベテラン教師による陰湿ないじめで心を
病み、ひきこもる若手教師の苦しみが描かれています。
さて、どんな風にリョウタ先生がそれらの問題を解決に
導いていくのでしょうか。
そこには助っ人となる仲間の存在が欠かせません。

作者はまるで長年の教師経験が有るかのように、教育現場の
実情と、当時の世相を反映したリアルな課題に迫ります。

教師は一様に、こなすべき雑務が多く、想像以上に激務の様ですが、
それより何より、多種多様のトラブルに対処しなくてはならないのが、
大変です。
時として、先生の対応次第で、生徒の将来が変わることも。
(でも、ここは小説☝深刻な問題も、ちゃんと章内で完結するよ。)

その重責と、あらゆる局面で教師としての資質が問われ、試され続ける
ことを思えば、先生って、本当に大変なお仕事なんだなあ・・・としみじみ。