「火の路」と比べて、なんと読みやすかった
ことか。私には、こっちの方が合ってるね。
奈良や京都が描かれている物語と知って、
興味を持ちました。
事実、物語において非常に重要な意味を持つ
場所として、数々の有名なお寺や建物、古都
の街並みが、美しく風流に描写されています。
中には馴染み深い場所もあり、当時はこんな
佇まいだったんだなあ、としみじみ思う場面も。
とは、思いもよらないことでした。
戦争末期に中立国スイスで亡くなったとされていた一外交官の
生存を巡るミステリーで、外交官の一人娘の婚約者である
新聞記者の青年が謎を追い続けた末に、驚愕の真実に辿り着きます。
感慨深い物語でした。
解説によると、「球形の荒野」は作者の最も脂の乗った時期の
作品で、なんと!!これと並行して連載を受け持ち、同時に
執筆されていたのが、「日本の黒い霧」「わるいやつら」
「駅路」「砂の器」の4作だそうです。
これはもう、神業としか言いようがないね。
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