梁石日第2弾 睡魔
自身が主人公のノンフィクションです。
血と骨で、主人公金俊平の長男だった作者
は、母親を亡くした後、故郷を出ていくの
ですが、その20年ほど後の姿が描かれて
います。
作者の人生は、まるで、多くの物語を生み
出すためにあるかの様に、波乱尽くめです。
主人公趙奉三は、うさん臭さを感じながらも、健康マット販売の
マルチ商法に引き込まれ、持ち前の饒舌と押しの強さ、広い人脈
で店子を増やし、大金を動かすまでになるのですが、そもそもの
商法システムの危うさに加え、これまた生来の無計画さに、ある
事件が重なって、思った通り・・・・たった数か月間の物語です。
ラストは、どんでん返しとは言えないまでも、多少の意外性がありました。
「血と骨」から「睡魔」までの間に、数作の自伝が有るので、これから
その空白を埋めていこうかな、と思う位に面白かったです。