池井戸潤第2弾 かばん屋の相続
タイトルから、一時期世間を騒がせた老舗
かばん店を巡る兄弟の骨肉の争いを描いた
長編と思いきや、そのお話を表題に掲げた
短編集でした。
主人公の銀行マンは、若手からベテラン
まで、勤務先も都銀、地銀、地信金と
色々で、肩書も、性格もそれぞれ。
6編6様どれも面白く、意表をつくもの
も多くありました。
銀行が取引先の中小企業に行った融資を巡る悶着を題材にして、
融資担当者の目線で描かれているものが、大半を占めます。
4編目の「芥のごとく」が最も切なく、辛過ぎるお話でした。
経営者も銀行マンも大変だなあ・・・としみじみ。
その厳しい世界を生き抜くのは、並大抵なことでは無いね。