タイトルは、自宅に引きこもる
50代の子供を抱える80代の親が、
体力的にも精神的にも追い詰められ、
社会から孤立する社会問題を8050
問題と呼ぶことに由来しています。
深刻なテーマを取り扱った作品ですが、
単行本の重さもなんのその、旅行にまで
持って行くくらい、のめり込みました。
たかだか12、13才の子供達がここまで陰湿で過激ないじめを
することにも、学校の対応の悪さにも唖然としました。
翔太君はもっと早く逃げるべきだった、と思わずにいられない。
親が子供のために良かれと思ってしたことが思いもよらぬ
事態を招き、結果として子供を長年に渡って引きこもらせて
しまいますが、それを救ったのもまた子を思う親心でした。
もがき苦しみながらも決して我が子を見放さなかった両親の
愛情と信念に打たれました。
何が吉と出るか凶と出るかは、巡り合わせや運によるところが大きく、
何が正しくて何が間違っているのかもケースバイケースで、
後になってみないと誰にもわからないことだけど、大切なのは☝
○子供の人生の選択は、親ではなく子供自身が行うこと
○子供が追い詰められた時、親が相談できる存在であること
○逃げ出しても良いと教えること
ではないでしょうか。
大澤家の場合、素晴らしい弁護士との千載一遇の出会いがあり、
裁判に協力してくれた人たちが居たことで未来が開けましたが、
元を辿ると、それもまた偶然が呼び寄せてくれた幸運でした。
世の中って、人生って、偶然と奇跡で出来てるんだね。今更だけど。