辻村深月第2弾 かがみの孤城
それぞれの家の鏡と繋がるお城に
集められた少年少女達の期限付き
の物語は、大人も夢中になるSF
ファンタジーでした。
ファンタジーながら、中学生の男女
7人それぞれが抱える悩みや葛藤が
非常にリアルに描かれています。
クラスの友達関係や家庭環境に悩む少年少女達が、今の苦境が
生きる世界の全ての様に錯覚して追い込まれ苦しむ様子等、
作者がここまで中学生の目線に降り立って物事を捉え、感じ
られる事に驚かされます。
子供の世界は大人が思う以上に残酷なんだなあとしみじみ・・・
人に傷つけられるけど、救ってくれるのも人であり、
誰かに助けられたり、助けたりといった普遍的なテーマが
しっかり織り込まれています。
そして、何より伏線回収が見事でした。
プロローグであっと驚き、更に最後の最後で物語の完成度が
格段に上がったのを感じます。
たまに終盤、鳥肌が立つような感動を覚える作品に出会いますが、
これがまさしくそうでした。
本屋大賞受賞作は、例外なく面白いね!!!