2016年6月22日水曜日

本のお話245 永遠の0

百田尚樹 永遠の0

タイトルの「0」は零型戦闘機、すなわち

ゼロ戦の0。
この傑作がデビュー作とは、意外だね。
元々興味のあるジャンルではなかったけど
こんなに感動したのは久しぶりで、読者の
心に深く哀しく訴えかけます。

主人公の健太郎が姉と共に、60年前に自分
と同じ26歳の若さで、沖縄特攻で戦死した
海軍航空兵だった祖父足跡を辿る物語で、
形態が嫌われ松子と似てる気がします。

お祖父さんと同じ部隊で戦ったかつての同胞達の話から、

祖父「宮部久蔵」の人柄や、どの様な信念と(パイロットとしての)
技量を持って、真珠湾攻撃から最後の沖縄戦までの3年8か月を戦い、
散っていったのかが、徐々に明らかにされていきます。
そして最後には、驚くべき真実が、待ち構えていました。

それぞれの戦いの内情、
艦艇や戦闘機、神風特攻隊のこと、
国力はもとより、兵士の命に対する考え方が、日米軍間で、
いかにかけ離れていたのか、更には、最も重大な責任が
あるにも関わらず、罪に問われることなく、のうのう出世して
いったエリート作戦参謀たちのこと、等々・・・
背景の全てが、驚きの連続でした。

プロローグがエピローグのシーンと繋がった瞬間の衝撃は、あまりにも

強烈で、電車の中で読み終えてから降りるまでの間、揺られながら、
暫し余韻を噛みしめました。

これはお勧め、星五つ!!★★★★★