百田尚樹第2弾 海賊とよばれた男
単行本なので重くかさ高く、持ち歩くのに
不便でした。
一代で世界企業を築いた出光興産の創業者
出光佐三をモデルに、国岡鉄三の生涯を
描いた歴史経済小説で、2013年の本屋大賞
受賞作です。
この様な経営者が実在したとは、俄かに
信じられないくらい、国岡鉄三なる人物の
スケールの大きさに、度肝を抜かれます。
話が壮大過ぎて書き切れないけれど、一番
の見せ場は、やはり日章丸事件と言えそう。
国岡商店の周りは、いつも敵だらけですが、
ついにメジャー(巨大国際石油資本)を相手に
戦うことになります。
何度も何度も倒産の危機に見舞われながらも、どこからか助けて
くれる人が現れたり、思わぬ幸運が舞い込むなどして、寸での
ところで切り抜けられることの連続でした。
助け人が現れるのは、運よりも、鉄三の将来を見通す千里眼や、
ここぞの時には、迷わず大勝負に打って出る決断力と引き際の良さ、
そして社員を一番に思う気持ちなど、彼の人となり、社長としての
器によるところが大きいのではないでしょうか。
何よりも、追求するのは自社の利益などではなく、日本の発展と未来の
ためにという大きな目標と信念こそが生んだ偉業でした。
鉄三が成し遂げたのは一体何だったのか、興味のある人は読んでね。
余談ですが、「永遠の0」の宮部久蔵が、このお話にちょこっと登場しますよ~