2016年8月3日水曜日

本のお話246 往復書簡

湊かなえ第5弾 往復書簡

意外にも、4編から成る短編集でした。
3作は関連の無い物語ですが、ラストの
超短編1作は、微妙に前の2作と関わっ
います。

一気に読んだので、前作との関わりに
気付いたけれど、いつも様に、電車で
日にちをかけてちんたら読んでいたら、
前のお話の登場人物名前や背景を
忘れてしまって、気付けないところでした。
そうなると、かなりもったいない。

作者お決まりの独白が、今回は全て往復書簡内で繰り広げられます。
いつもの様に、一つの出来事が、複数の人物によって語られるのですが、
語り手が移るに従い、徐々に真相が浮かび上がっていく手法に、毎度
感心させられます。

最初の物語は、「絶対におかしい、あり得な~い!」と絶叫したくなる
様なオチで、その突っ込みどころに、読んだ者同士、会話が盛り上がる
こと間違いなし!
それほど、トップバッターの「十年後の卒業文集」は、今まで読んだ
作者の作品中で、一番イケてないと思ったお話です。