2018年6月23日土曜日

本のお話280 シャイロックの子供たち

池井戸潤第5弾 シャイロックの子供たち

タイトルのシャイロックは、ベニスの商人

お馴染みの、あの悪徳金貸し名前です。
なんと、グッドなネーミング!👍
タイトル通り、様々な魑魅魍魎の輩が登場
します。

これは、ちょっとした驚きの作品でした。

2話目に差し掛かった時、うわっ!また
短編集だった!とがっかり⤵
ところが、ところが!
短編連作の長編ミステリーだったのです。
お話が繋がっていると知った時の嬉しかったこと⤴

10話全てが、あるメガバンクの同一支店を舞台にしています。

都心の重要店舗からかけ離れた場所に佇む、中小零細企業や
個人業主への融資を中心に行う小規模支店で働く銀行員たち
物語で、一話毎に主人公が変わります。

どんどん面白さが加速し、後半でミステリーの様相を帯び

てくると、もう本が閉じられない・・・
ただ、最後だけは、納得し難いものがありました。
そのこじつけには、ちょっと無理があるんじゃない??
って感じで、私的には、ラストのどんでん返しは要らなかったかも。

ちょい役の人が次章で脇役、別章で準主役級又は主役、或はその逆

もありで、登場人物の立場や顔ぶれが章毎違うのが、斬新でした。
意味不明だった事の真相が、後々の章で明らかとなったり、
謎の人物の輪郭が徐々に浮かび上がるも面白い。

結果を踏まえた上で伏線を意識して読み返すと、見落としていた

発見が幾つもあること間違いなしで、一度きりではもったいない。
ってことで、読み直し始めたところです。