ダニエルスティール第7弾 輝ける日々
ダニエルスティールが、精神障害に苦しむ
長男と共に闘った19年間を振り返った
自伝で、畑正憲さんが翻訳されています。
原典を読んで感動したムツゴロウさんが、
作者に直接手紙でお願いして、翻訳権を
獲得したそうです。
アメリカでNo.1作家と称される作者の息子
らしく利発で文才があり、特に音楽の分野
では、類稀なる才能を発揮して、多くの
人を魅了したニックの激しい人生と、彼と
過ごした作者の喜びと苦悩が描かれています。
誰よりも優しく、ユーモア溢れる素晴らしい人間性を持ちながら、
病に苦しみ続けた末に、19歳の若さで自ら命を断った息子・・・
善良な人間の体内で、デーモン(病根)がどんどん大きくなって
暴れ狂い、人間そのものを食い潰してしまう、と文中で表現される
程に、躁うつ病(双極性障害)の苦しみの深さが伝わってきます。
薬物による治療が、いかに大切かということも。
この作品は医学的にも、幼児期の双極性障害の診断と早期からの
薬物治療に大きく貢献した様です。
またニックは、アメリカで爆発的に増加していると言われるLDと
ADHDを併せ持つとされ、それについても言及しています。
もがきながらも必死で生きたニックと、嵐の渦中に居る様な生活
を強いられても、懸命に彼と関わり続けた家族の絆と、母親の
深い愛に感動しました。
他人ながら、家族以上にニックに寄り添ったジュリーにも。
自伝中のエピソードは、彼女の多くの作品に繋がっています。
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