2025年3月30日日曜日

本のお話383 東京島

桐野夏生第7弾 東京島

これは面白かった!

夫に付き合わされて渋々クルーザーで
世界一周の旅に出るも、間もなくして
嵐に巻き込まれ、夫共々無人島に漂着
した主人公と、後から漂着してきた
日本人達、更にその後に漂着してきた
中国人達の物語です。
その後、またまた・・・!?

男31人中、女性がたった1人の環境故、
丸々太った中年女性の清子がモテモテの逆ハーレム状態に。
自身を巡る男達の争奪戦に酔い知れますが、いつまでも
女王様では居られず。

面白いのは、それはそれは個性的な登場人物達です。
次々と起こるトラブルやアクシデントによって彼らの過去や
人となり、集団内での立ち位置や人間関係が浮かび上がります。
彼らが築く各々のコミュニティと実り豊かな島の特徴や地理
も興味深い。

この作品の一番のセールスポイントは、まるで作者の実体験で
あるかの様なサバイバル生活の生々しさです。

ここからネタバレご注意・・・
↓         
終盤あっ!!と驚く展開があり、生き残った住人の未来は、
二手に分かれます。
考え方によっては、どっちの道もハッピーエンドと言えなくもない。

普段当たり前に享受している清潔で便利で、何より飢える心配の無い
安全が確保された文明社会のありがたみに気付かせてもらえる一冊です。

結局は人間、生きる力、サバイバル力が一番だね。