村山由佳 「星々の舟」
直木賞受賞作品の星々の舟、
家族一人一人が星に、家庭は舟に例えられて
います。
おいコーシリーズが気に入った私は、また
村山由佳の作品を選びました。
これは、軽いタッチのおいコーと違って、
重くて暗くて、感情移入すると、しんどく
なりそうなお話でした。
父親と後妻、4人の子供と長男の家族の物語ですが、
厳密に言うと、父親と子供たち4人と1人の孫娘の
6つの視点から語られている短編連作小説です。
短編6章が全て繋がって、一つの物語を成していて、
登場人物の誰もが深い悩みや苦しみを抱えながら
生きる様子が描かれています。
作者はこのお話を書いていく中で、幸福とは呼べない幸せも
あるのかもしれないことに気付いた、と述べています。
読んだ私にも、この本から得た気付きがあるとすれば、それは、
生きて行くことは悩み続けることかもしれない、ということ。
(我ながら、なかなかの名言だね(*^^)v)
そういった意味で、私にとって目から鱗の作品でした。