2014年9月14日日曜日

本のお話150 龍の子太郎

松谷みよ子 龍の子太郎

大きな賞をトリプル受賞した半世紀前の作品です。

紙箱入りの本なので、古い割に保存状態は良い方です。

松谷みよ子さんは自分と同じ児童文学作家の夫と、

民話採集の旅に出て、各地に古くから伝わる民話と
出会い、中でも信州に伝わる龍の子、小泉小太郎の
民話に強く惹かれます。

小太郎の小さい頃の話だけが伝わる地方と、大きく

なった小太郎の話だけが残る地方が有り、一つの
民話が千切れ千切れの断片となり、各地に散ら
ばってることを、彼女はその旅で知ります。

そのバラバラに点在するストーリーを繋いで、自分
の創作を加えた物語がこの作品で、「祖先との合作」
と作者はあとがきで語っています。

これは、龍から生まれた太郎が、お母さんを探す旅に出て、
龍のお母さんと再会し、みんなの為に大事業を成し遂げる物語です。