2015年9月3日木曜日

本のお話230 水の炎

松本清張第13弾 水の炎

これは、社会派ミステリーがお得意の
作者らしくない、他と随分雰囲気の
違う作品です。
感想は、とっても良かった!

知的で美しい若妻が、迷いやしがらみを
断ち切って、自分の力でこれからの人生
を生きるべく新たな一歩を踏み出そうと
するお話で、彼女の凛とした中にある
満たされない思いと寂寥感が、切なく
伝わってきます。

特に前半は、作者の作風とかけ離れ、三浦綾子さんの

小説読んでいるかの様な錯覚に陥りますが、野望
燃えるあざとい夫と、更にその上手をいく悪辣な男たち
企みには、作者らしさが出ています。

多少の突っ込みどころはあるにせよ異分野の傑作に
驚嘆しました。これは、隠れ名作かもね。
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