2015年9月26日土曜日

本のお話231 彩り河

松本清張第14弾 彩り河

上下巻共に文春文庫ですが、出版時期の違う

別の組み合わせのため、下巻の最初の章が、
上巻の最後と重複しています。
逆なら、一章分抜けるところでした。

作者の作品は、どれもすぐに引き込まれ、
電車に乗るのが楽しみになりますが、これも
よく出来たお話で、面白かったです。

首都高速の料金所から始まるこの物語のタイトル
夜の銀座のビルに掲げられた色とりどりの看板に
因んで付けられています。
バーやクラブと共に、煌めく看板見上げるビル前
車道も、舞台としての重要な役割を担っています。

相互銀行と商社、経済評論出版社、高級クラブ、製薬会社
までもが関与する一連の殺人事件を、2人(厳密には3人
の男が追うミステリーで、実際の出来事をモチーフに
作られたのでは?と思う位、リアリティがあります。

不自然さの残る状況曲線や、結末に違和感を感じた隠花平原
比べ、まあまあ納得いく作品でした。

それにしても・・・
人を殺す様な人間を、殺人のかどでゆすれば、自分も同じ目に
遭うかもしれないと、追及者は考えないのだろうか?と毎度、
不思議に思うところです。
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