2017年6月21日水曜日

本のお話266 ぐるりのこと

梨木香歩 ぐるりのこと

読む本がないので、何か小説を調達せねば、
と思ってる時に見つけたのが、娘のこの本。
そう言えば、梨木香歩さんを知ったのは、
娘が愛読してたのが、きっかけでした。

これは、「西の魔女が死んだ」「りかさん」
「からくりからくさ」でお馴染みの作者の
エッセイです。
植物が大好きで、染色や織物、人形にも造詣
の深い作者が紡ぎ出すファンタジックな世界
に引き込まれた経験から、興味津々で読み始めました。
が!・・・・面白かったとは、正直言い難い。
最後まで投げ出さずに、何とか読んだって感じです。
それでも、なるほどなあ・・と共感するところが、
沢山ありました。

裏表紙から旅のエッセイだろうと思い、「異国の窓から」の様な軽い
タッチのエピソード集を想像してましたが、それはそれは、哲学的です。
こんなに、物事を突き詰めて考える人だったとは・・・

世の中の出来事の一つ一つを身近に感じて、真摯に考え続ける作者の
人柄や思いが、彼女の描く作品に、にじみ出ています。
究極に真面目で、優しく、奥深い人だなあ。