ファンタジー路線まっしぐらの様相
に戸惑ったのも束の間、あっという
間に引き込まれていきました。
ファンタジーとスピリチュアルから
成るミステリー小説で、何とも奇妙な
ワールドが展開します。
白と灰色だけの世界です。
雪の降りしきる中、高校の同級生男女8人が外界と遮断された
冷たい校舎に閉じ込められ、一人、また一人と消されていきます。
中には「貞子」を彷彿とさせる場面も。
彼らが集められた目的は?自殺した生徒は誰?
そこにみんなを閉じ込めたホスト(主)は何者?
そういった謎もさることながら、若者達の群像劇が興味を引きます。
ちょっとネタバレですが・・・
あの人がこの人だったとは!!と、驚くどんでん返しは
この物語においても健在で、作者お得意の手法と思われます。
面白いことに、作者と同姓同名の「辻村深月」が登場します。
作者はこの繊細な女子高生に自身を投影させたのでしょうか。
生徒たちの多くが前回のスピンオフ小説「光待つ場所へ」に登場します。
先にこれを読んでから、そっちを読めば良かったなあ・・・