2024年3月8日金曜日

本のお話373 光待つ場所へ

辻村深月第7弾 光待つ場所へ

またまた2章目で短編と分かって
がっかりしたけど、読んでみると
どれも情感溢れる良い作品では
ありませんか。

1人の登場人物に覚えが有って調べた
ところ、なんと!!4作の短編全てが、
スピンオフ小説とのこと。

プロローグとエピローグが同じタイトル
なのに、両方読んでもちんぷんかんぷんで、
重要な部分がごっそり抜け落ちている感が
拭えなかったのは、そういうことだったんだ。

余程記憶力の優れた人で無い限り、元の作品を読んだ直後に
このスピンオフ集の該当編を読むことをお勧めします。
関連が分からないと、あまりにもったいないもんね。

複数のお話に何らかの才能を持つ若者が登場しますが、
才能を持つ者と持たざる者、その才能を目の当たりにした者、
それぞれの思いが交錯します。

立場の違いによる心境の描き分けは、一読の価値あり。