有吉佐和子 「非色」
有吉佐和子さんの作品で手元に残っていたのは、
この1冊だけ。
彼女の作品中の私のナンバーワンです。
昔、ある先生から頂きましたが、その時先生は、
元気が出てくる物語だと仰ってました。
読み終えた瞬間、本当に元気が湧いて来る様
でした。
このお話は、ラストシーンがとても重要です。
タイトル「非色」の「色」は肌の色を指していて、
人種差別がテーマとなっています。
終戦直後のアメリカ進駐軍占領下の東京で、主人公笑子は、
軍人トムと出会い結婚して娘を授かり、先に帰国したトムを
追いかけて娘と共にアメリカに渡るのですが、そこで待ち受けていたのは、
戦争花嫁としての過酷な生活でした。
どんなに辛い目に遭っても、誇りを捨てずに逞しく生きる笑子から、
私は、ファイトをたくさんもらいました。