2015年2月23日月曜日

本のお話192 嵐が丘

エミリーブロンテ 嵐が丘


本箱の奥から引っ張り出してきました。
最初にこの物語を読んだのは、小学生の時で、
ハードカバーの本でした。
高校時代にも読んだのに、内容をきれいさっぱり
忘れてしまい、以降また読みました。
滅多に同じ本を読まない私が最低3回、或はそれ
以上読んだ作品です。

内容を忘れても、厚い雲に覆われた空、強い北風
が吹き荒れる起伏の荒野、ヒースの生い茂る丘に
建つ大きな館、そして幾つかの劇的なシーン
断片的に記憶に残り、その神秘性に惹かれて、
繰り返し読むことに・・・
それで神秘のベールは剥がれてしまいましたが。

旧家の主に拾われてきた孤児ヒースクリフによる(次世代にまで及ぶ)
復讐劇が、イギリスヨークシャー地方舞台に繰り広げられます。

ヒースクリフの狂気と怨念が生んだ復讐劇ですが、その中から
新たな愛が育つハッピーエンドと言えなくもない物語で、
救いのある悲劇といったところでしょうか。

エミリーブロンテもマーガレットミッチェル同様、偉大な物語を、
生涯にたった一つ遺したのですね。