宮本輝No.3 自伝第2弾「地の星」
熊吾は病弱な息子のために、大阪での事業を
畳み、温暖で空気のきれいな故郷の南宇和に
妻子を連れて帰ってくるのですが・・・
どの巻も穏やかに時が過ぎることはなく、熊吾の
激しい気性と、バリエーションに富んだ人達の
登場で、波乱尽くしです。
ここでも熊吾の豪快さ、情の深さや優しさと共に、
我儘な性格や嫌らしさが、いかんなく発揮されます。
熊吾は嫌いだけど引きつけられる、反感を持つけど、
応援したり同情してしまう、といった気持ちを抱かせる人物です。