2014年6月17日火曜日

本のお話123 血脈の火

宮本輝No.4 自伝第3弾「血脈の火」 

熊吾一家は大阪に戻り、新たな事業を展開するのですが・・・・

房江と結婚した頃の熊吾は、事業で成功して財を成して
いましたが、戦争や信じていた人達からの度重なる裏切り、
自然災害等により、悉く躓きます。

熊吾の運の悪さは、関わる人に恵まれないことにも
起因しますが、気性の激しさから恨みを買う彼の
性質が、不運に拍車をかけている気がします。

人は自尊心を傷付けられると、たとえそれが恩人で
あっても、生涯消えることのない強い憎しみを抱く
ことがあると、後に熊吾は思い知らされます。
どの巻か覚えていないけど、熊吾が「自尊心」
について考え込む場面が、印象に残っています。