辻村深月第16弾 ロードムービー
「雪の降る道」の4編から成る
短編集で、どれも感慨深い!
ロードムービーにも道の先にも
作者お得意のどんでん返しがあり、
えっ!そうだったの?と今回も
また驚かされました。
道の先と東京語りは繋がっていて、
雪の降る道は、これらとは別の物語と
リンクしています。
辻村作品は、メンバーや舞台を変えながら繋がっているものが
多く、全てを繋ぎ合わせると壮大な物語になりそう。
悩み苦しむ少年少女達の胸の内を細かく描き出すのが作者の
特徴で、その場所に居るかの様な臨場感が味わえるのは、
生々しくリアルな表現の成せる技だね。
些細なきっかけで急にいじめられたり、人気者でさえ、突然
クラス全員から無視されたり、嫌がらせを受けるなど、
彼女の描く世界は、いつも残酷で恐ろしい。
クラスの風向きを変えるほどの影響力を持つ加害生徒のことを
被害者ながら「ある種、すごい能力だ」と達観し、感心する
主人公ですが、やられるだけでは終わらない。
その逞しさが痛快でした。
どの作品も、過酷な状況の中で助けてくれたり、支えとなる
仲間が必ず居るのも救いです。
そして、雪の降る道のみーちゃんが、僕のメジャースプーンの
ふみちゃんと重なるのは私だけでしょうか。
そこまで健気で優しい天使の様な小学生は居るのかな!?