2023年4月3日月曜日

本のお話358 野の春

宮本輝第20弾 野の春

9巻に及ぶ流転の海シリーズはこの巻を
以って完結します。
作者の父をモデルに描いたこの長編は、
完成までになんと37年も費やしたのだ
とか。

事実に虚構を織り交ぜて展開するこの
壮大な物語にどれだけの人が魅了された
ことでしょう。

ラストは圧巻で、熊吾の人生を適切に温かく表現した
これ以上の締め括り方はない気がします。

一連の物語の最大の魅力は多種多様な登場人物で、
其々が人間味に溢れています。
熊吾がそうであるように、善悪では測れない人間の多面性が
面白く、一人一人深掘りして描かれているのが特徴です。

タイトルの「流転の海」は、熊吾の怒涛の様な人生を表現して
いますが、これに限らず全巻のネーミングが素晴らしく、
感心するばかり。

最初から読み直さなくては!!と強く思っているところです。
人に薦めたい作品ランキングのもしかして、一位かもしれない。
作者様、お疲れ様でした。