2014年4月13日日曜日

本のお話104 華岡青洲の妻

有吉佐和子 華岡青洲の妻

残っているのは非色だけと思っていた有吉佐和子
さんの本が1冊出てきました。
う~ん、なぜこれが残っていたのか?不思議・・

江戸時代の外科医、華岡青洲は麻酔薬を開発した
第一人者ですが、その陰には、実用化に向けての
人体実験にわが身を差し出す妻と母の存在が
ありました。
我こそがと、嫁姑が競って自分の体を青洲に
役立ててもらおうとするのです。

青洲不在の3年間は、嫁姑は仲睦まじく暮らしていた
のに、青洲が帰った瞬間から、ライバル関係へと変貌
していく様子がリアルに表現されています。

偉大な功績の裏にある嫁と姑のけなげな献身と、したたかなバトル・・・
女同士の確執と命がけの執念が、じわじわと伝わってきます。