宮尾登美子 陽暉楼
陽暉楼は多くの芸妓を抱える土佐一番の大料亭で、
櫂にもちょこっと登場します。
魚屋を営む賭博と酒好きの父親が広げた商売の失敗
から、僅か12歳で陽暉楼に売られた房子の儚い人生
を、陽暉楼での人間関係を中心に描いています。
人を見る目が無かったとは言え、美貌と才能を
生まれ持ち、一番の芸妓になろうと芸を極める努力
を惜しまなかった房子には、あまりにも報われない
一生でした。
もやもやした心配の残る結末にも不満が残りますが、
重厚感のある物語でした。