2024年5月25日土曜日

本のお話376 本日は大安なり

辻村深月第10弾 本日は大安なり

これは面白かった!!
エンターテインメント性抜群の作品です。

素敵なチャペルを擁する高級結婚式場で
その日取り行われる4組の結婚式の波乱
と、一人のウエディングプランナーの
物語が5人の視点で語られます。

次に読むことがあれば、視点交代せず、
一人毎にまとめて読んだら面白いかも。

5人の視点というのが絶妙で無駄がなく、他の登場人物達の
背景や人となりを充分に知ることができます。

強烈なキャラクター満載で、4組の結婚式全てがぶっ飛んでる
なんてことはあり得ないにも関わらず、妙な現実味を感じます。

特に印象に残ったのは理解不能のクズ男と、仕事に誇りを持ち
全身全霊を掛けて職務を全うするウエディングプランナーの女性でした。

どこまでも身勝手で短絡的なクズ男のメチャクチャな思考が
どの様に成り立っているのかがよく分かって面白い。

その対極と言えるプランナーの女性は「森の中の海」の主人公を
思い出させます。

人生をねじ曲げられるくらい酷い目に遭わされても恨みに捕らわれる
ことなく、どんな状況においてもプロ意識と思い遣りを忘れず、
真摯に生きる姿が格好良過ぎる~!!

その前向きな生き様こそが運と縁を呼び寄せて、自身を幸せに導くんだね。