松本清張第4弾 夜光の階段
一旦引き込まれると、中断できなくなる程
面白い作品です。
私利私欲の手段としてしか人を見られない
狡猾な主人公佐山道夫は、邪魔になった
女性を次々と殺めていくのですが・・・
センスと才能に恵まれてはいても、貧相で明るさが無く、計算高い
佐山に、何故女性たちは、そこまで入れ込み執着するのか・・・・
其々の女性の強烈な個性も、面白さの一つとなっています。
またこの物語は、「検察の指揮、命令一体化の壁」の問題について、
切り込んでいます。
無実の人が重刑に陥れられているのがわかっても、諸々の事情に阻まれて、
どうしようもできない当時の検察庁の組織体制に、愕然とします。
今はどの様に改善されているのか、とても気になるところです。
濡れ衣を着せられた男性を守るために、そんな検察体制に
職を賭して挑む検事と事務官には、心動かされるものがあります。
これまでの悪の裁かれ方とは違う意外な形での決着が、新鮮に
感じられた部分です。
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