2015年7月18日土曜日

本のお話222 黒皮の手帳

松本清張第5弾 黒皮の手帳

これは「夜光の階段」の女版で、不正を

働き、人を脅して、のし上がる元子の
陰謀と転落が描かれています。
「夜光の階段」以上に面白いかも。

両主人公共に、野望を遂げるためには手段を

選ばないのですが元子より「夜光の階段」
佐山の方が、格段に悪質です。

二人の悪の根深さの違いは、せしめるお金の出所にあると
思いますが、人を殺すか否かが、決定的な違いではないでしょうか。
元子の厚かましさと度胸には、ある意味感心しますが、世の中、
限りなく上には上が、居るものです。

悪銭身に付かず、人の恨みは恐ろしく、悪事は必ず裁かれる運命

にあり・・・自業自得の物語で予想通りの結末ですが、「あっ!」
と驚くラストシーンが待っています。

これも、当時の社会問題を幾つも取り込んだ大作で、読み応え
抜群です。
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