筒井康隆、第4弾はエディプスの恋人。
巻末の解説に、タイトルの「エディプスの恋人」
についての説明が載ってました。
それを要約すると・・・
◎ギリシャ神話に登場するエディプスは王である父
を父親と知らずに殺して、自分の母と結婚した
青年である。
◎実際は、ギリシャ神話の悲劇よりも、男の子が
母親を慕い、父親に反感を覚える傾向を分析した
フロイトの言葉、エディプスコンプレックスの方が有名。
◎エディプスにあたるのが智広(七瀬が恋をする青年)
なので、エディプスの恋人=七瀬 ということになる
この物語は上述の逆で、母親が息子を特別に愛する
のですが、タイトルは、物語の雰囲気を上手く表し
ていると思います。
筒井康隆はタイトルを付けるのも上手いね!!
七瀬3部作はそれぞれ趣向が違ってて、とっても面白い!
エディプスの恋人は、シリーズの中でも特に不思議なお話です。
七瀬ふたたびも、エディプスの恋人も物語全体が黄昏に包まれた
イメージで、ストーリーから哀愁が漂っているのを感じます。