三浦綾子第4弾は、「続氷点」
タイトル通り氷点の続編です。
前作氷点は、「妻への復讐」と「汝の敵を愛せるか」との
2つの意味合いから、啓造はとんでもない企みを果たし、
後にそれが妻夏枝の知るところとなって、幼い陽子を不幸の
渦に巻きこんで行くというやるせないお話でした。
最後にどんでん返しの救いで氷点のお話は幕を下ろしました。
あのまま終わる方が、物語の完成度が高かった気がします。
続氷点では、陽子は自分の出生の秘密を知って前作より一層
悩み、苦しむことになるのです。
三浦綾子の作品中で、最も罪の匂いが漂うお話でした。
続は前編以上に、陽子を取り巻く人たちの罪が凝縮されて
いたけれど、これも最後には、その後に続くと予想される苦難
だけでなく、この物語なりの救いが設けられていたと思います。
って何だか読書感想文みたいだね(*^_^*)