2013年5月7日火曜日

本のお話30 広き迷路

三浦綾子第5弾は、「広き迷路」

珍しくキリスト教が出てこないお話
だったと思います。
何年も前に読んだので大筋しか覚え
ていない為、断言できないけれど、
少なくともキリスト教はストーリー
とは無関係だったはず。

これは、2時間サスペンスドラマ
するのにぴったりで、三浦綾子さん
はこんなミステリー小説も書けるん
だ、と感心したのを覚えています。
彼女らしくない作品でした。
これはかなり面白かった!!

信じていた恋人の裏切りと更なる惨い仕打ちに対する復讐
を描いた物語ですが、その復讐の陰には、主人公の傷つい
女心を利用する人たちの私利私欲の陰謀が渦巻いていました。

広き迷路は、北海道の静かな地方都市から出てきた主人公に
とって、自由の天地に思えた大都市東京のことを指していて、
それ(東京)は、迷路と気付かせないほど広くて、孤独で
歩むべき道を失わせる、そして入り込むと出て来れない迷路
であると、終盤に文中で例えられていました。