2014年7月25日金曜日

本のお話135 骸骨ビルの庭

宮本輝No.14 骸骨ビルの庭

司馬遼太郎賞を受賞した比較的新しい作品で、
つい先日読んだばかりです。これまでの作品
と随分雰囲気が違ってました。

九死に一生を得て戦争から帰還した阿部と、彼の
友人で死病から生還した茂木は、自分たちが生か
された意味捉え、阿部の所有するビルで、
代わりとなって多くの孤児たちを育てました。
ビルの庭は、生きるために皆なで奮闘しながら
畑を耕し、野菜を収穫してきた歴史を持ちます。

茂木と、かつて孤児だった大人たちが、そのビルに留まり続ける理由とは・・・
円満に立ち退かせる役割を担ってビルに赴任して来た主人公の(入居者達との
数か月間の交流を綴った)日記が、彼らの過去と現在を浮き彫りにします。

暫く余韻に浸ってしまいました。この作品は最高に良かった!!!
私にとって、作者の作品中、3位以内です。

是非お勧め。星5つ。★★★★★